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年次大会
大会報告:第37回大会 (報告要旨・報告概要:自由報告 第1部会)

 第1部会  6/18 10:00〜12:30

司会:山岸 健 (慶應義塾大学)
1. 音楽社会学の位置と関心
――最近の研究から――
岩村 沢也 (上智大学)
2. 都市とサウンドスケープの変容
――中央区佃島の調査から――
大西 貢司 (慶応義塾大学)
3. 相互作用秩序の分析可能性
――「フレーム」と「エスノ・メソッド」――
佐竹 保宏 (埼玉大学)
4. 社会主義国の試験制度に関する社会学的考察 尾中 文哉 (東京大学)

報告概要 山岸 健 (慶應義塾大学)
報告概要

山岸 健 (慶應義塾大学)

 第37回関東社会学会大会における第I部会の研究報告は、上智大学の8号館207教室で午前10時すぎからおこなわれたが、スタートの時点で22名の参加者が見られ、終始、30名近くの参加者を得て研究報告がおこなわれたことは幸いだった。つぎのような順序で報告がおこなわれ、質疑応答も活発におこなわれた。――(1) 音楽社会学の位置と関心―最近研究から、上智大学 岩村沢也氏。(2) 都市とサウンドスケープの変容―中央区佃島の調査から、慶應義塾大学 大西貢司氏。(3) 相互作用秩序の分析可能性―「フレーム」と「エスノ・メソッド」、埼玉大学 佐竹保宏氏。(4) 社会主義国の試験制度に関する社会学的考察―「内申書」・「推薦」の機能について、東京大学 尾中文哉氏。

 この第I部会の研究報告は上記のようにバラエティに富んでいたが、日常生活の場面や身辺、生活史やキャリアなどがクローズ・アップされてくるという点で部会としてのまとまりが見られたように思われる。

 質疑応答という点では、第1報告ではシュッツにおける複定立性、また、報告の全体にかかわることだが、意味という言葉をめぐって討論や意見発表がおこなわれ、第2報告では生活者の年齢の相違によるサウンドスケープの印象の違いなどについて質問と応答がおこなわれた。第3報告ではエスノメソドロジーをゴフマンはどのように見ていたのか、などといった問が出され、ゴフマンの視点とエスノメソドロジーのアプローチをめぐって議論がおこなわれた。第4報告では試験制度や権力などをめぐって質疑応答がおこなわれ、わが国における内申書などについてもその歴史的経緯が論じられた。いずれも内容ゆたかな報告であり、研究の発展と展開に大きな期待が寄せられるものだったと思う。社会学の舞台は広く、奥ゆきはまことに深い。

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