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年次大会
大会報告:第49回大会 (2001.6.9-10 東京女子大学)
第49回大会開催のご挨拶

大会開催実行委員長 
矢澤 澄子(東京女子大学)

 21世紀最初の年の関東社会学会大会の開催を,東京女子大学文理学部社会学科でお引き受けすることになりました。東京女子大学の建学の精神は,正門を入ると正面に見える本館の壁に刻まれたラテン語 QUAECUNQUE SUNT VERA「すべて真実なこと」を心に留めなさい,という聖書の言葉(フィリピの信徒への手紙)に示されています。初代学長・新渡戸稲造の下で1918年に創立された後今日まで,83年の伝統を刻むキャンパスにも,数年前のキャンパス統合(現代文化学部の善福寺キャンパスへの移転)を契機に新しい建物が加わり(図書館,学生ホール,研究棟,教室棟),学科再編を含めた全学的な将来計画が動きだすなど,新たな時代の風が吹いています。

 大会の会場となる9号館には,前庭を通り過ぎ緑の林を抜けた一角の新しい建物群の中にあります。学会の合間の息抜きには,同窓生たちが長年かけて育ててきたといわれる「武蔵野の林」を縫って散策をお楽しみ下さい。正門を入るとすぐ右手には美しい尖塔を持つ白い建物,チャペルがあります。礼拝堂は,60年余り前の建物とは思えないモダンな雰囲気を漂わせ,後方には3つのケースを備えた風格あるパイプオルガンをご覧いただけます。この楽器は,フランス・ヘルプフェル社製で,全体のパイプ数が2400本余りあり,35種類の音色を出せるストップを持つそうです。このような女子大の静かなキャンパスで,会員の皆様が日頃の研究成果を交換しあい,さまざまな学問的交わりを通じて「真実なこと」に考えを巡らせるよう,準備させていただきます。どうぞ奮ってご参加下さいますよう,お待ち申し上げます。

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第49回大会を振り返って

宮島 喬 (前研究委員会委員長・立教大学)

 第49回関東社会学会大会は、去る6月9日(土),10日(日)の両日、東京女子大学で開催されました。木立の中の落ち着いた環境下の校舎で、開催校の行き届いた配慮もあずかって、つつがなく2日間の研究発表を終了することができました。大会参加者は、会員、非会員合わせて293名の多数に上りました。

 第1日目には、昨年度に引き続き、プリナリーセッション「社会学の対象と方法」を開催し,浜日出夫氏、坂本佳鶴恵氏、赤川学氏の報告をもとに討論が行われ、多数の参会者の関心を呼びました。詳細は別項の報告にゆだねますが,報告者三氏はそれぞれのアプローチを、経験的な社会学研究との架橋に意を用いて展開され、より具体性に富んだ議論が行なわれえたように思われます。

 2日目には、「社会構造の変容とエスニシティ」、「情報化と労働の変容」、「グローバリゼーションと市民社会」の三つのテーマ部会が開催され、それぞれにおいて熱心な討論が行なわれました。

 両日における自由報告は、26報告(8部会)で,これは48回大会と同数でした。800人を超えている本学会の会員数からみると、もう少し応募があってよいのではないかと考えられますので,募集方法の改善等を次期の課題として申し送りたいと思います。

 大会を盛会に導いて下さった東京女子大学の皆様、および報告者、討論者、司会者、その他参会者の方々に感謝する次第です。

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