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年次大会
:第65回大会 (報告要旨・報告概要:テーマ部会B)


テーマ部会B 「性的身体の現代的諸相
        ―制度的場面における“性暴力”の操作・管理・運用―」

担当理事:苫米地 伸(東京学芸大学)・杉浦 郁子(和光大学)
討論者:小宮 友根(東北学院大学) 中西 祐子(武蔵大学) 上谷 香陽(立教大学ほか非常勤)
司会者:鶴田 幸恵(千葉大学) 湯川 やよい(東京女子大学)
部会要旨 文責:杉浦 郁子
部会要旨

 関東社会学会テーマ部会Bでは、「性的身体に対する規範的なまなざしや介入を問うことで、排除や暴力をめぐる現代的な課題を考察する」というねらいのもと、具体的なフィールド報告を取り上げています。昨年度は「生殖」に関わって新たに浮上している問題に注目しましたが、今年度は「暴力」にかかわる問題を中心に据えて議論をしています。
 2017年6月のテーマ部会では、制度的場面(教育、法、医療など)において、「性暴力」についてどのような操作・管理・運用がなされているのか、という問いを立て、考察を深めたいと思います。現時点で想定している論点を具体的に挙げれば、たとえば、各領域の専門家たちは、「性暴力」を扱うさいにどのような専門的/日常的な知識を参照しているのか、「被害」や「加害」の認識はどのようになされるのか、それが専門家の「仕事」にどのように組み込まれているのか、その「仕事」はどんな社会関係のなかで組織されているのか、などです。こうした議論を通して、「性」や「身体」の現代的なありように迫ることを目指します。
 ご報告をお願いしたのは、『刑事司法とジェンダー』(インパクト出版会、2013年)の著者である牧野雅子さん(大阪府立大学)と、『養護教諭の社会学―学校文化・ジェンダー・同化―』(名古屋大学出版会、2014年)の著者、すぎむらなおみさん(愛知県立日進高等学校養護教諭)です。牧野さんには、ある「性犯罪」事件加害者への調査結果にもとづき、刑事司法過程、とりわけ捜査機関の性暴力認識とその生成過程について議論していただきます。すぎむらさんには、学校内で生徒に性暴力被害を相談されやすい養護教諭へのインタビューから、被害にあった生徒の存在に気づくことや支援の難しさについて議論していただきます。討論者には、小宮友根さん(東北学院大学)、中西祐子さん(武蔵大学)、上谷香陽さん(立教大学他非常勤講師)をお迎えします。
 多くの皆さまの参加をお待ちしています。

報告者および題目:
刑事司法の性暴力認識 ―「性犯罪」加害者に着目して―
牧野 雅子(大阪府立大学)
学校における「難問」としての性暴力 
―被害にあった生徒に対する支援者は不在だったのか―
すぎむら なおみ(愛知県立日進高等学校養護教諭)

(文責:杉浦 郁子)

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