1995年度 第2回
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開催日程
研究例会報告担当:町村 敬志(一橋大学) 1996年1月27日(土)午後2時〜5時半、立教大学12号館第2会議室において、「広域と局域を架橋する――エリア・スタディとカルチュラル・スタディズの対話――」をテーマに研究例会が開催された。今日、社会理論・社会研究は、グローバル化や情報化など「広域のリアリティ」と身体やアイデンティティなど「局域のリアリティ」という2つの焦点の間で、大きく分極化する傾向にある。両者の中間で立ち現れる「社会的なもの」をいかに対象化し、どのような言葉でそれを表現していくか。本研究例会では、こうした課題を考える出発点として、地域研究(エリア・スタディ)とカルチュラル・スタディズを取り上げ、それぞれにおける<グローバル―ローカル>の問題を多角的に検討した。「エリア・スタディにおけるグローバルとローカル」という題目で報告した柄澤行雄氏(常磐大学)は、社会学における地域研究の系譜をたどった上で、「エリア」のもつ個別性の把握をまず第一にめざし、これを世界史的文脈に位置づけていくことの重要性などを主張した。また「グローバライゼーションと現代社会理論――時間―空間はいかにして可視化されるか――」という題目で報告した小川葉子氏(明治学院大学)は、グローバル化の諸理論を整理した上で、グローバル化にともなう「時間―空間の再編成」過程を、日常生活者の言説をめぐるエスノグラフィ的研究によって明らかにする興味深い研究事例を提示した。討論者の若林幹夫氏(筑波大学)と池田寛二氏(日本大学)からは、ローカルとグローバルの相互反転関係(例、「ローカル」の発見という行為自体が「グローバル」な基盤の上にある)、「地域」概念自体の文化的・政治的拘束性などについての指摘がなされた。ついでこれらを踏まえ、参加者(23名)の間で活発な討論を行った。議論はなお継続中ではあるが、いずれにせよ具体的なフィールドの中における主体の経験からこのテーマを考えていくことの重要性が確認された。大会においてもこの点を踏まえて、さらに検討を深めていきたい。 |
1995年度 第3回
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開催日程
研究例会報告担当:庄司 洋子(立教大学) 1996年度大会テーマ部会「身体・関係性・社会」にむけて、研究例会「身体と社会のインタラクション」が開催された(3月2日(土)午後2時〜5時半、立教大学、司会:庄司洋子)。加藤まどか氏(東京大学)による「現代日本社会における身体とジェンダー」、加藤篤志氏(早稲田大学)による「社会学における「親密性(intimacy)概念」の二つの報告があり、討論者の柄本美代子氏(早稲田大学)、市野川容行氏(明治学院大学)からのコメントを得たあと、参加者の間で意見交換が行われた。 |
1995年度 第4回
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開催日程
研究例会報告担当:奥村 隆(千葉大学)、西原 和久(武蔵大学) 「行為と認識」部会の研究例会「社会学者はなぜ理論化するのか」は、4月6日(土)に立教大学で開催された。「社会学理論」はいま、どんな課題を引き受け解明するために存在しているのか。それは他の理論や外の世界に「開かれた言葉」をもちえているのか。この問題提起に対し、各々ある面を際立たせる興味深い3報告がなされた。 |