1998年度 第2回
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開催日程
研究例会報告担当:風間 孝(動くゲイとレズビアンの会) セクシュアリティのなかでも、レズビアン/ゲイ・スタディーズをテーマにした研究例会が開かれるのは初めてであり、どのような報告と議論が展開されるか、期待もし、不安もあったが、結果的には、50名を超える参加者を得ることができ、また報告者のアプローチの多様性が様々な可能性に開かれていることを感じさせる研究会となった。この研究例会を開催するにあたってのコンセプトは2つあった。ひとつは、アプローチの多様性を示すことでレズビアン/ゲイについて思考することがどのようなラディカルな問いを内包しているのかを示すこと。もうひとつは、ゲイにのみ焦点をあてるのではなくて、レズビアンについても語れる場とすること、であった。 |
1998年度 第3回
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開催日程
研究例会報告担当:安川 一(一橋大学) 情報ネットワーク部会はコンピュータ・ネットワーク(以下、CNと表記)をめぐる2つの調査研究を検討する機会をもった。 |
1998年度 第4回
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開催日程
研究例会報告担当: 本年度第4回の研究例会は、1999年4月10日立教大学において、「正義・公共性・市民権」部会担当により開催された。共通テーマは、「市民権−福祉国家における「内」と「外」 ―境界形成から公共性へ―」で、次の2本の報告があった。「ナショナリズムのダイナミックス ―ドイツと日本の『ネーション』概念の形成と変容をめぐって」と題する佐藤成基氏(茨城大学)の報告は、ドイツと日本におけるネーション概念の歴史的変容を克明にあとづけた後、ドイツではネーション概念が国家や国民国家から区別され、「民族」それ自体要求や主張の主体として理解される傾向があるのに対し、日本ではネーション概念が国家に従属し、その結果両者が区別されない傾向があると結論づけた。「共生空間としての福祉の再構築―公共性を創造する市民活動」と題する衛藤幹子氏(法政大学)の報告は、地方自治体の福祉政策を事例に取り上げ、各地の先進的ケースの比較を通じて、公共空間としての基礎自治体を構想するための諸条件を論じた。武川正吾氏(東京大学)のコメントに引き続いて討論がおこなわれた。両報告は、自己の生き方を自己決定できる公共的な空間をいかに創出することができるか、という点で共通の問題意識をもっていた。こうした空間の設定は、メンバーシップの問題と絡んで排除という問題を必然的にもたらす。重要なことは、仮に不当な排除が生じてもそれを正していく可能性が、社会の中に用意されているかにある。この点で、市民活動によって支えられた地方自治体は依然として大きな可能性をもつとされた。当日は約28人の出席を得て、活発な議論のうちに会を終えた。 |