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年次大会
:第64回大会 (報告要旨・報告概要:テーマ部会A)


テーマ部会A 「現代都市における〈場所性〉・再考」

討論者 若林 幹夫(早稲田大学)、窪田 亜矢(東京大学)
司会 山本 薫子(首都大学東京)、原田 峻(立教大学)
部会要旨 山本薫子
部会要旨

 本テーマ部会では、現代の都市生活における〈場所性〉の意味や機能について多角的に再検討してみたい。21世紀の今日、従来の地域共同体(地縁等)とは異なり、またメディアが媒介するいわゆる〈無場所性〉の現象とも異なる、新たな関係性が都市空間のさまざまな局面で確認されつつある。それらは、一見、従来的な意味での地域を越えたつながりと見えるが、実際には特定の空間(〈場所性〉)を結節点として関係の形成、維持が図られている。これらの多くはメンバーの共通の関心をもとに自発的に形成されたものであり、関心縁や趣味縁とも重なる。こうした関心縁や趣味縁によって形成される関係性は、「新たな地縁」や「新たなコミュニティ」となりうるものなのだろうか? そして、そうした新たな関係性が結束力に伴う親密性と同時に排他性をも内包していることにも注目したい。それら両面の効果に関しても過不足なく検討していきたい。以上のような問題意識に基づき、本テーマ部会では主として都市文化や都市社会の文脈から現代の〈場所性〉を再考し、その特質と課題について多角的に議論を深めていくことを目指したい。
 そこで、大会シンポジウムでは都市における商店街をめぐる近年の変化に着目したい。今日、再開発、ジェントリフィケーション、セキュリティなど、先進諸国の都市における商業空間をめぐる問題が数多く指摘されている。同時に日本の商店街では高齢化、衰退などの課題が目立つと同時に、イベント等の地域おこし、福祉的ニーズへの対応や居場所づくり、観光化等の変化や新たな取り組みも生まれている。このような状況、変化を踏まえ、今回のシンポジウムでは現代日本の都市における商店街の〈場所性〉について多角的な視野から議論を行うと同時に、都市における〈場所性〉の再考へつながる論点を検討したい。

報告者および題目:
町村 敬志(一橋大学)
「ノイズとしてのパブリックスペース ―「空間」争いの時代に商店街を考える―」
新 雅史(学習院大学)
「商店街地域における利用・管理の新たな様相」
下村 恭広(玉川大学)
「新規開業者による場所のリノベーション ――東京・下町の事例から」

(文責:山本薫子)

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