HOME > 年次大会
年次大会
大会報告:第61回大会 (2013.6.15-16 一橋大学国立キャンパス)
第61回大会開催のご挨拶

 第61回関東社会学会大会を一橋大学国立キャンパスにおいて開催する運びとなりました。 一橋大学は、1927年、前身の東京商科大学が関東大震災後に移転して以来、国立の地において今年で86年目を迎えています。社会学部(1951年創設)・大学院社会学研究科(1953年創設)は、戦後、新制大学となって60年以上にわたり、社会科学・人文学の幅広い諸分野を横断する教育と研究の拠点として、その歴史を紡いできました。これまでに数多くの優秀な社会学者を送り出してきましたが、現在も、社会学部は四学年合わせて約千名、大学院社会学研究科には博士前期課程と博士後期課程合わせて約500名の学生が在籍しています。とくに大学院社会学研究科は、社会学だけでなく、哲学・思想、心理学、人類学、政治学、教育学、総合政策、歴史学など幅広い分野で総合的に先端的な研究がすすめられており、社会学専攻の大学院生も複合的な視野と多元的思考の獲得をめざして切磋琢磨しています。  今大会は、修論フォーラム、自由報告部会、テーマ部会、テーマセッション、ワークショップ、そして海外招聘講演と大変多彩なプログラム内容で構成されることになりました。少しでも多くの会員に参加していただき、活発な議論が展開され、知的刺激に満ちた大会になってほしいと願っています。  今大会が豊かで実りあるものとなりますように、大学スタッフと大学院生たちとともども、できるかぎりよい大会環境づくりに努めて参りたいと思います。ご参加を心よりお待ちしております。

町村 敬志(大会開催校実行委員長)
小林 多寿子(大会開催校理事)

▲このページのトップへ
第61回大会の開催に向けて

 今年の大会は、6月15日(土)・16日(日)の両日、一橋大学国立キャンパスで開催されます。開催の労をお取りくださる一橋大学の会員・スタッフのみなさまには、心よりお礼申しあげます。
 大会では、第1日午前に修論セミナー(第3回研究例会)、第1日午後と第2日午前に自由報告部会、第2日午前に新設の海外研究者招聘テーマセッション、第2日午後にテーマ部会を設ける予定です。また第2日の昼の時間に招聘セッションでお招きするA.ポルテス先生の基調講演を予定しております。今大会でも多くの会員の報告を得て、充実した研究交流の場が実現することを期待しております。
 今号ニュースにおいて自由報告部会の報告者募集を行いますので、募集要領を熟読のうえ、電子メールまたは郵送でお申し込みください。また、今大会より新設する「海外研究者招聘テーマセッション」については別項の通り1件の応募があり、理事会で審議の上、採用されました。一般のテーマセッションは応募がありませんでしたので、今大会では開催しません。
第2日午後は、「リスク・個人化・社会不安(社会運動・社会政策)U」「関係性再考―自立と孤立、共同と分断」という2つのテーマ部会を設けます。例年通り、それぞれのテーマでの研究例会も3月に予定されておりますので、大会同様、例会へも積極的にご参加くださるようお願いします。
▲このページのトップへ
第61回大会を振り返って

 第61回大会は、去る6月15日(土)・16日(日)の両日、一橋大学国立キャンパスで開催され、200人を超える多くの参加者を得て盛会のうちに終了いたしました。開催にあたっては、町村敬志大会開催実行委員長・小林多寿子大会開催校理事をはじめとする一橋大学のスタッフのみなさまに、周到な準備と開催期間中の行き届いたご配慮をいただきました。ご尽力に心よりお礼を申し上げます。
 大会においては、第1日目午後と第2日目午前に自由報告部会が行われ、48の報告が10の部会に分かれて行われました。また初の「海外研究者招聘セッション」がA.ポルテス教授(プリンストン大学)を迎えて開催されました。さらに、第1日目午前には第3回研究例会「修論フォーラム」(通算第7回)が、第1日目午後には、昨年度に引き続き「英語報告のためのワークショップ」が開催されました。
 第2日午後には、2月と3月に開催された研究例会を踏まえた2つのテーマ部会が開催されました。テーマ部会の詳細については、以下の報告をご覧ください。
 なお、ニュース前号133号に掲載されました大会プログラムに、下の通り誤記・訂正箇所がありました。関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます。

・4頁修論フォーラムセッション1:
 誤=井口高志(信州大学) 正=井口高志(奈良女子大学)
・5頁修論フォーラムセッション3:
 誤=小林宏郎(立教大学) 正=小林宏朗(立教大学)
・8頁自由報告第3部会:
 誤=松岡暎理(一橋大学) 正=松岡瑛理(一橋大学)
・9頁自由報告第5部会第5報告「死生観の心理学」報告取りやめ
・13頁テーマ部会A:
 誤=原田利恵(国立水俣病総合研究センター)
 正=原田利恵(元国立水俣病総合研究センター)

 研究委員長としての2年間の任期を、研究委員の先生方および会員の皆様のお力添えで何とか勤め上げることができました。心よりお礼申し上げます。

中筋 直哉(前研究委員会委員長)
▲このページのトップへ
第61回大会 海外研究者招聘テーマセッション 企画主旨

テーマ

経済社会学の展開とエスニシティ研究
New Development of Economic Sociology and Ethnic/Migration Studies

部会趣旨

経済環境の激変の中で、社会学の原点でもあった「経済と社会」の関係をめぐって経済社会学の分野が国際的に活性化してきている。現在、日本での経済社会学的研究の発展は見られるものの、国際的な大きな再活性化との落差はいまだ大きい。その一方、社会関係資本social capital, 埋め込みembeddedness、 弱い紐帯weak tieなどの鍵概念は多くの分野で刺激を与えている。特に、エスニシティ・移民研究を中心とする国際社会学分野では、経済社会学的研究が相対的に強い影響を与え、その理論を分析ツールとするとともに、経済社会学の成果の検証が、他分野以上に積極的に行われていると言えるだろう。今回のテーマセッションの目的は、このような経済社会学の成果が現代の社会変動の解明への貢献を、エスニシティ・移民の現象をはじめとするグローバル化の諸現象を素材としながら、広くその射程を考察することにある。このためプリンストン大学Alejandro Portes教授をゲストとして迎える。ポルテス教授は、エスニシティ・移民研究の分野で長く合衆国をはじめとして国際的な水準で研究をリードし、これを経済社会学の最新の理論的展開との媒介し、さらに経済社会学のよりシステマティックな理論的研究書を近年発表してきた。日本における経済社会学的理解と世界の動向を媒介しつつ、それを本学会のエスニシティ・移民研究者との議論の場を生み出すには最適なゲストスピーカーといえよう。

具体的には、まずポルテス教授をメインに、経済社会学的な視点をもって日本でのエスニックな現象の分析をリードしている中堅研究者2名を加えてパネルディスカッションを編成し、本学会に多数所属している移民・エスニシティ研究者の議論への参加を促す。パネリストについては現在交渉中である。

最後に今大会が、一橋大学で開催されることからも、広く社会学研究に寄与しながらも、ちょうど設立20年に当たる国際社会学分野の研究拠点のある一橋大学で開催される大会としての意義を象徴的にも実質的にも高める企画になりうると信じるものである。

小井土彰宏(一橋大学)、水上徹男(立教大学)
▲このページのトップへ