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年次大会
大会報告:第44回大会 (1996.6.8-9 東京学芸大学)
第44回大会開催のご挨拶

大会開催校理事 
森田 数実 (東京学芸大学)

 このたび、関東社会学会第44回大会を東京学芸大学でお引き受けすることになりました。

 本学は、ご承知のように教員養成系大学であるため、文学部等での学科というまとまりはありません。専門課程で社会学を勉強する学生は、小学校および中学校の社会科教員養成課程に所属する学生の一部と、教養系の人間科学課程・総合社会システム専攻に所属する学生の一部で、教官組織の社会学研究室(7名)と総合社会システム研究室(社会学研究者1名)がその指導にあたっています。そのほかに教育学研究室、生活科学研究室にも社会学研究者が所属しております。今回は、社会学研究室が中心になり、他の研究室の協力を得る形で、大会運営を行いたいと思っております。社会学研究室ではこのような大きな学会開催の経験がなく、かなりの不安を感じておりますが、円滑な運営を図れるよう努力する所存でおります。

 当日は、現在建築中の教室を使用することになります。本学はこれまで少人数用の教室しかなかったのですが、カリキュラムの変更と並行して比較的大きな教室を作ることになりました。大会当日までには工事は終了していると思いますが、設備等々についてはスタッフも不案内なため、ご迷惑をおかけすることがありましたらご容赦下さい。それと、本学は住宅地にありますため、食事・喫茶などのための便利が悪いので、食事につきましてはお持ちいただくのが宜しいかと存じます。

 大会では、新たに意欲的な4つのテーマ部会が持たれるほか、自由報告にも多数の申し込みを受けております。それに向けて着実な準備が進んでいるようですので、実りのある発表・討論が期待されます。多数の会員の参加を得て、充実した大会になりますことを切望してやみません。

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第44回 関東社会学会大会を顧みて

西原 和久 (常任理事・研究委員会 大会担当)

 1996年6月8日(土)・9日(日)の両日、東京学芸大学において、第44回関東社会学会大会が開催されました。大会開催校理事の森田数実先生をはじめ、東京学芸大学の諸先生方、大学院生、学部学生の皆さんの多大なるご協力に深く感謝いたします。また、各部会の報告者、討論者、そして司会の方々など、多くの関係各位にも御礼申し上げます。 「テーマ部会」は昨年の大会後、今までの部会の成果をふまえながら新しい時代に対応したテーマ設定を考え、研究例会との連動のもと2年間のテーマをもって4部会が設けられました。詳細は、別掲の「テーマ部会報告概要」をご覧いただきたいと思いますが、「身体と社会」「日常と非日常」「行為と認識」「広域と局域」の4部会です。また、「自由報告部会」は、本大会では5部会設けられ、各部会とも3〜4名の報告がなされました。全体として盛会で、部会によっては時間が足りずに、予定時間を越えて議論が白熱することもありました。関東社会学会の最近の傾向ではありますが、比較的若い研究者が多くを占めるなか、興味深い発表が行われ、一定の成果があったものと確信しております。

 もちろん、課題も多くあります。各テーマ部会に関しては、前述のように当該の報告概要を参照願うといたしまして、ここでは一点だけ示すことにします。全体として今後考えなければならないことのひとつは、若い研究者との対比のなかで、より経験豊かな社会学研究者の参加、発表が少なくなってきているように思えることでしょう(正確な統計をとっているわけではありませんので、一般的な印象の域を超えないところもありますが)。このことが最近の本学会の特徴であるとしても、そしてもちろんそれなりのメリットもありますが、理想をいえば経験豊かな社会学者も積極的に加わるなかで、各々の経験や知見をもとに活発な議論がなされるメリットも、当然ながら大きいと思われます。今までの社会学研究の伝統を生かしながら、新しい時代に対応したテーマに積極的に挑んでいくという課題にどこまで迫っていけるか、研究委員会にとっても今後の検討課題のひとつであることは間違いありません。

 会員数の増加にともなって、今後とも一層、会員および大会関係各位にご協力を願わなければならなくなってきております。この「回顧」がニュースに掲載される頃には、もう97年の大会に向けた研究例会が動き始めています。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。

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